2024年8月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が723件(前年同月比4.8%減)、負債総額は1,013億7,000万円(同6.4%減)となりました。4カ月ぶりに700件台に戻り、28カ月続いていた前年同月比増加の連続記録が途切れました。しかし、年間1万件超えの可能性は依然として続いています。
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主要指標の動向
1. 倒産件数
- 723件(前年同月比4.8%減)
- 4カ月ぶりに700件台
- 2022年4月から続いていた前年同月比増加の連続記録(28カ月)が終了
2. 負債総額
- 1,013億7,000万円(前年同月比6.4%減)
- 2カ月ぶりに前年同月を下回る
- 8月としては3年連続で1,000億円超え
3. 産業別動向
- 増加:サービス業他(242件、前年同月比1.6%増)、卸売業(106件、同27.7%増)など
- 減少:建設業(121件、同22.9%減)、製造業(79件、同11.2%減)など
4. 地区別動向
- 減少:関東(288件、前年同月比1.3%減)、近畿(172件、同9.9%減)など
- 増加:東北(43件、同22.8%増)、中部(91件、同18.1%増)など
5. 負債規模別
- 負債1億円未満:550件(全体の76.0%)
- 100億円以上:2カ月連続で発生
詳細分析
産業別の特徴
2024年8月の産業別倒産件数は、10産業のうち5産業で前年同月を上回りました。
- サービス業他:242件(前年同月比1.6%増)で24カ月連続増加
- 卸売業:106件(同27.7%増)で11カ月連続増加
- 情報通信業:41件(同13.8%増)で5カ月連続増加
- 農・林・漁・鉱業:12件(同33.3%増)
- 小売業:79件(同3.9%増)
一方、建設業(121件、同22.9%減)、製造業(79件、同11.2%減)、不動産業(18件、同45.4%減)、運輸業(25件、同32.4%減)、金融・保険業(0件)が前年同月を下回りました。
地区別の特徴
9地区のうち6地区で前年同月を下回りました。
- 減少地区:関東、近畿、中国、九州、北海道、北陸
- 増加地区:東北、中部、四国
関東は28カ月ぶり、近畿は21カ月ぶりに前年同月を下回りました。
その他の特徴
- 形態別:破産が640件(全体の88.5%)で今年最低の構成比
- 従業員数別:10人未満の企業が全体の90.1%(今年最高)
- 中小企業倒産:5カ月連続で全体の100.0%
主な大型倒産
- (株)クレサービス(広島県、船舶製造・修繕業):負債額109億6,100万円
- みやび建設(株)(滋賀県、建築工事):負債額54億3,500万円
- (有)森山水産(鹿児島県、ブリ・ハマチ養殖・加工):負債額39億4,000万円
- (株)グローバルステージ(東京都、ビルメンテナンス):負債額29億円
- 極洋フィードワンマリン(株)(愛媛県、水産物養殖業):負債額24億6,500万円
今後の見通し
8月の企業倒産は700件台にとどまったものの、以下の要因により今後の増加が予想されます:
- 物価高の継続
- 最低賃金を含む人件費の上昇
- 金融機関の貸出金利上昇の可能性
- 秋口以降の企業の資金需要増加
- コロナ禍の負荷(過剰債務など)を抱える企業の存在
これらの要因により、企業倒産は増減を繰り返しながらも全体として増勢をたどる可能性が高いと見られます。特に、小・零細企業を中心に倒産リスクが高まっていることに注意が必要です。
結論
2024年8月の企業倒産は、件数・負債総額ともに前年同月を下回り、一時的な改善が見られました。しかし、経済環境の不確実性や企業を取り巻く厳しい状況を考慮すると、今後も注意深く動向を見守る必要があります。特に、中小企業や特定の産業(サービス業、卸売業など)における倒産リスクに注目し、適切な支援策や対策を講じることが重要です。
政府、金融機関、および企業自身は、この状況を踏まえて、以下の点に注力すべきでしょう:
- 中小企業向けの金融支援の継続と拡充
- 事業再構築や生産性向上への支援
- 産業構造の変化に対応した人材育成と雇用対策
- 企業の財務体質強化とリスク管理の促進
これらの取り組みを通じて、企業の経営基盤を強化し、倒産リスクの軽減を図ることが、日本経済の安定と成長につながると考えられます。
与信リスク対策における保険ブローカーの役割
与信リスク管理は多くの企業にとって重要な課題です。保険ブローカーは、与信リスク対策において以下のような役割を果たします:
- リスク分析: 取引先の信用状況や市場動向の分析
- 最適な保険選択: 取引信用保険など、適切な保険商品の選定と提案
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- クレーム対応: 債権回収不能時の迅速な保険金請求サポート
- リスク管理アドバイス: 与信管理体制の構築支援
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