海外取引は、営業・マーケティングから代金回収までの一連のプロセスで進められ、リスクには回収リスク、為替リスク、輸送リスク、カントリーリスクなどがあります。特に海外与信管理では取引先の信用度とカントリーリスクを考慮する必要があります。支払条件は、Advance Payment、Confirmed L/C、L/C、D/P、D/A、Open Accountなどがあり、リスクと利便性のバランスに応じて選択します。近年には与信管理の強化が求められ、リスクヘッジの方法を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
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海外取引の一般的なプロセス
海外取引は、営業・マーケティング活動から始まり、資料請求・問い合わせ・見積り依頼、取引先の審査、支払条件の決定・与信限度額の設定・見積もりの提出、受注・契約締結、商品出荷・請求、代金回収の流れで進められる。インターネットの発達により、海外に拠点を設けずとも世界中で販売できるようになりました。
国際物流では、海上輸送と航空輸送があり、それぞれ独自のプロセスがあります。海上輸送では、コンテナ扱い貨物と混載貨物があり、混載貨物の方が利用頻度が高いです。航空輸送は、スピードが速いが、コストは高くなります。輸入の場合は、到着後の通関手続きや国内配送のプロセスが加われます。
海外取引のリスク
海外取引には、回収リスク、為替リスク、輸送リスクなどがあります。回収リスクは、物理的な距離や時間差により、国内取引と比べて高くなります。与信管理には細心の注意が必要です。為替リスクは、円建て以外の取引で発生し、円高や円安により価格競争力や購買力に影響を与えます。輸出の場合、円高は価格競争力を下げ、円安は価格競争力を上げます。輸入の場合、円高は購買力を上げ、円安は購買力を下げる。輸送リスクは、長距離輸送による破損の可能性が高まることから生じます。貨物保険等で、リスクヘッジすることが重要です。
カントリーリスクと与信管理
取引先が存在する国のカントリーリスクも重要な要素です。戦争や紛争、債務不履行、外貨管理上の制限などがリスクとなります。日本貿易保険の国別カテゴリーを参考にすることが多いが、民間企業としては、より厳しく評価する必要があります。OECDカントリーリスク専門家会合において、国毎の債務支払い状況、経済、金融情勢等を議論し、それぞれの評価が決定しています。日本貿易保険は、このOECDの評価を基に、国、地域のカテゴリーを決めています。A~Hまで8段階のカテゴリーになっており、もっとリスクの低いのがA、高いのがHとなっています。
与信管理においては、取引先の信用度と合わせて、カントリーリスクを考慮することが重要です。取引先の審査では、インターネットでの情報収集や信用調査レポートの入手などが行われます。収集した情報を評価・分析し、顧客の信用度に応じて支払い条件や与信限度額を決定します。
海外取引の代表的な支払条件
海外取引の代表的な支払条件には、Advance Payment(前払い)、Confirmed L/C(確認信用状)、L/C(信用状)、D/P(支払渡し)、D/A(引受渡し)、Open Account(オープンアカウント)などがあります。それぞれ、リスクと利便性のバランスが異なるため、取引先の信用力や競争環境に応じて選択する必要があります。
Advance Payment(前払い)、Confirmed L/C(確認信用状)、L/C(信用状)
AdvancePaymentは、最も確実な代金回収方法だが、バイヤーがすべてのリスクを負担するため、敬遠されやすいです。L/Cは、銀行が発行する支払いの保証書で、日本企業の貿易において最も一般的な支払条件です。ただし、発行費用や事務処理の煩雑さ、発行銀行の倒産リスクなどの問題点もあります。Confirmed L/Cは、L/Cの発行銀行の信用力が低い場合に、国際的に信用力の高い他の銀行が二重に保証する方法です。
D/P(支払渡し)、D/A(引受渡し)
D/PとD/Aは、信用状なしの荷為替手形取引です。L/Cの費用と手間をバイヤーが嫌がる場合などに使われるが、第三者の支払保証はないです。D/Pは、手形代金の支払いと引換えに書類を渡すことを条件に商品を出荷する方法で、D/Aは、手形の引受けに対して書類を渡す支払条件になります。
Open Account(オープンアカウント)
OpenAccountは、欧米の企業間取引において最も一般的な支払方法で、無担保の与信取引を指します。債権回収のリスクが高いため、格付けの高い国の、格付けが高いバイヤーに対してのみ適用されます。支払期日までの期間は一般的に30日-90日程度です。
近年は、L/C以外の選択肢を採用する企業も増えており、与信管理の強化が求められています。アジア企業との競争激化により、価格面や支払条件での優位性のある企業と取引をするのは、ビジネスの原理です。リスクを管理するために、海外取引の与信管理を強化する日本企業が増加しています。
その他の支払条件として、Consignment(委託契約)とMinimum Guarantee(最低保証)があります。どちらも販売代理店との契約において採用される支払条件だが、輸出者にとってリスクが高いです。Consignmentは、代理店がエンドユーザーに再販できてから販売実績に応じて支払いを受ける方法で、返品リスクや代金流用のリスクがあります。Minimum Guaranteeは、運賃や商品のFOB価格の数パーセントを最低金額として支払い、商品がエンドユーザーに販売できた段階で残高を支払う方法です。返品はできないが、支払期日のない後払いであり、リスクが高いです。
まとめ
海外取引は、営業・マーケティングから代金回収までの一連のプロセスで進められ、国際物流では海上輸送と航空輸送があります。リスクには、回収リスク、為替リスク、輸送リスク、カントリーリスクなどがあり、与信管理では取引先の信用度とカントリーリスクを考慮する必要があります。
支払条件は、リスクと利便性のバランスに応じて選択し、近年は与信管理の強化が求められています。リスクヘッジの方法として、支払条件の選択や貨物保険の活用などがあり、海外取引のプロセスとリスクを理解し、適切な対策を講じることがグローバルビジネスでの成功につながります。
*本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。
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